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石井萌葉からメールが来たよ。

12 /26 2011
 こんにちは。 秋亜綺羅です。
 
 きのうのクリスマスの夜、石井萌葉から、ひさしぶりのメールが来ました。
 石井萌葉は、ことしの元旦に発売された 「季刊ココア共和国」 vol.5に小詩集を組んでくれた、若い詩人です。 千葉県市原市に住む高校2年生。 もう17歳になったかな? しばらく音信不通っぽかったので、すこしく安心して、とってもうれしかった。 ブログを引っ越して、あいかわらず詩を書いているみたいです。 石井萌葉独特のリズムとロジックは、ますます健在でした。
 わたしは、クリスマスプレゼントをもらった子どものような気分で、うきうきだったな。
 
 さっそく詩をひとつだけ、 「無断転載」 をしちゃいましょう。
 萌葉さん、ごめんね。 (この、ごめんねだけが得意の、秋亜綺羅くんです)。
 
 
 
 
 
  「不快なライバル」       石井萌葉
 
 
  ちょっとした冗談とか
  熱すぎたおでんの話とか
  キーの合わない歌とか
  まずい外国のお菓子とか

  ずっとそこに挟まっといて
  そんなことから私の夢は
  現実になろうとする
  そんなことが原動力で
  私の世界は回り出す

  弾け出すのが怖いかい
  溢れ出すのが嫌なのかい

  不快感と不快感と不快感で
  私の世界は回り出す


  小指挟んだ痛みとか
  夢が現実になったとか
  消しゴム忘れたとか
  宇宙人見たあの子とか

  ずっとそこに挟まっといて
  そんなことから私の夢は
  ここを出ようとする
  そんなことが原動力で
  私の視界は広くなる

  預けておけば安心かい
  真似が出来たら成功かい

  不快感と不快感と不快感で
  私の視界は広くなる


  今日の天気悪いから
  明日が来るんだ
  今日は運が悪いから
  明日になるんだ


 
 うん。 天才的に、ことばが開かれています。 軽くて、ちょっと毒がある。 飛んでいきそうで、酔いがまわりそうで。…。 踊りたくなるような、考えるのやめよう。 みたいな、そんな快感(不快感?)がありますね。
 ほかの詩も、みんなよかったよ。 来年も 「季刊ココア共和国」 に登場してもらおう。 ね。
 
 「季刊ココア共和国」 を出して2年になるけれど、3人のハイティーン詩人に出会いました。
 ひとりは石井萌葉。 それから、仙台で女優をやっている19歳の藤川みちる。 もうひとりは、石巻の17歳、恋藤葵。 みんな女のコです。 すくなくともわたしより、才能あふれる詩人たちです。 
 
 恋藤葵は、被災の中心地・石巻の高校生で、わたしの住む仙台とは、電車のレールがまだつながらないまま。 それでも3度ほど会っているかな? 内緒だけど、ココアの次号に書いてもらう予定です。(なにが内緒なのだろう)。
 
 藤川みちるは作・演出もこなす女優です。 つい先日、デートしたばっかで、ね。 29日も劇団 I.Q150の忘年会でデートする予定です。 あ。 藤川みちるはこのまえ、20歳になりました。 いっしょにビールとワインを飲みましたもん
 
 みんな、わたしよりちょっとだけ若い。 3人の歳をたすと54歳でしょ。 わたしは、60歳ですもんね。 わかったか。 どんなもんだ。
 
 では、「季刊ココア共和国」 vol.8 に書いたわたしの詩から1篇。
 
 
 
 
 
  「わたしの夢」            秋亜綺羅
 
 
  わたしは、薄っぺらな手作りの詩集を、
  街に立って、1冊100円で売って生活するのが夢ですね。
  寒くなっても、眠くなってもいいように、段ボールをいつも持って。
  きょうは3冊売れたから、のり弁当が買えるね。
 
  学生の頃、1日だけ街に立ったことがありました。
  簡単なことなのに、いまなぜしないのだろう。 と自分に問いかけています。
  それはたぶん、わたしが野球のピッチャーだったとして、
  打者にビーンボールを2球続けて投げる勇気がないのです。
  1回の勇気より、2度続ける勇気のほうが、何十倍も必要だからです。
 
  なにを、こわがっているのだろう。
  自分の人生という名の打者に、
  ビーンボールを投げ続けること。
 
 
 
 
 
 
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ココア共和国のクリスマス

ココア共和国
12 /23 2011
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 ココア共和国の大統領はなんと糖尿病のため、ケーキはありません。
 
 赤い花のポインセチアと赤ワインは、写真家の宮内文子さんから贈っていただいたものです。 その右にある、サンタさんと赤いリボンと街が描いてあるのは、お菓子の入った箱のフタです。 これも宮内さんからの贈り物です。  
 
 ポインセチアの左に、段ボールの箱があって、かわいい絵が描かれていますね。この箱は、3月の震災のあと、詩人の橘田活子さんが支援物資として食料品をたくさん贈ってくれたものです。 そこに貼られた絵です。 なかには 「がんばって!」 という、かわいいお手紙もありました。 これらは、橘田さんのお弟子さんの、みなみちゃん、みうちゃん、あやちゃんが描いてくれたものです。
 
イメージ 2
 
 ほんとに、励まされました。 震災の時にはずいぶんたくさんの方から、お見舞いの手紙やメール、支援物資をお送りいただきました。
 
 というわけで、ココア共和国はみなさんの支援で成り立っています。 まるで北朝鮮みたいです、ね。 感謝しています。
 
 おかげさまで、ほぼ震災前の生活に戻っています。 仕事もふつうにしています。 もちろん、まだまだの方はおおぜいいます。
 わたしの事務所がある建物は、外壁などがすこしく壊れていて、来年1月からやっと修繕に入ります。 2か月ほどかかるそうです。
 
 忘年会をなんどしても、忘れられない年になりました。
 
 クリスマス・イヴの明晩は、3人のかわいい未来の詩人たちの、絵とお手紙を眺めながら、ワインで乾杯しようと思います。
 
 メリー・クリスマス!
 
 
 
 
 
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号外。 キム・ジョンイルおじさん、死す。

ココア共和国
12 /19 2011
キム・ジョンイルおじさんって、地球に帰って来てたんですね。
 
(2009年3月27日、ココア共和国ニュース)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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いがらしみきおの 「人は死ぬのを知りながら」

詩ってなんだろう
12 /17 2011
イメージ 1
 
 
 こんにちは。 秋亜綺羅です。
 「季刊ココア共和国」 vol.8 に掲載された、いがらしみきおの 「人は死ぬのを知りながら」 が、ツイッターなどで話題になっているようです。
 
 上の写真がその、ラストシーンです。 いちばんいいとこ、勝手にブログに載せちゃって、いがらしさん、怒るだろうなぁ。 まぁ、わたしのブログなんて1日200人と読者はいませんから、影響はないでしょう。 へい。
 
 今回は全部で8ページだけの実験版でした。 いがらしみきおに言わせれば、ダイジェスト版、短縮版ということです。
 完成すればおそらく、32ページだてくらいになるだろうと思っています。 いま以上の、巨大なスケールの展開が期待できます。
 
 ネット販売、電子出版。 英語版、仏語版なども考えています。 問題は、死ぬほど忙しい、いがらしみきおが、いつ描いてくれるか。 です。 死ぬのを知りながら、死ぬまえになんとかお願いしたいものです。 ははは。
 
 ダイジェスト版である今回の 「人は死ぬのを知りながら」 は、文字だけ並べてみれば、詩人や、哲学者にとってみれば、それほどびっくりするものでもないでしょう。
 
 
 
  「人は死ぬのを知りながら」           いがらしみきお
 
 
  人は自分が死ぬのを知っています
 
  人は自分が死ぬのを知りながら
  毎日ごはんを食べます
 
  人は自分が死ぬのを知りながら
  誰かに会います
 
  人は自分が死ぬのを知りながら
  なにかになります
 
  人は自分が死ぬのを知りながら
  笑っています
 
  人は自分が死ぬのを知りながら
  黙っています
 
  人は自分が死ぬのを知りながら
  かすかになにかを待っています
 
  人は自分が死ぬのを知りながら
  なぜ死ぬのかは知りません
 
 
 
 実際、いい詩なのだけれど、こうやって書き出してしまっては、いがらしみきおのせっかくの意図は壊れてしまうのでしょう、ね。
 
 ただ、漫画人にしてみると、すごい作品みたいです。
 この8ページのために、いがらしみきおは1週間ほどかけて描いています。
 
 たとえば、うえに載せた最終ページ。
 人は、いません。
 まえの7ページには必ず人が登場していたのに。…
 
 道には、足跡らしきものが遠くから続いて来ていますが、
 途中までです。
 近くになると、足跡ではなく、木の葉らしきものになっています。
 水たまりが4つあります。
 水たまりには青空と、白い雲が映っています。
 
 道の横を流れる川には、木々の影まで水面に揺れています。
 この1枚の絵のなかでは、舗装されていない泥道だけが、
 人工のものです。
 人工といっても、川の側にそって歩いた、たくさんの人々の足によって
 つくられた道なのでしょう。
 
 遠くの山々も、空も、川も、土手も、
 人がつくれるものではありません。
 
 だけど、人がつくった道が中央にいちばん
 大きく描かれています。
 
 なぜか、なつかしい。
 なぜか、ここで自分は死ぬんだな。
 という気にさせられます。 わたしは。
 
 というようなことを、読者がそれぞれ
 考えていけばいいのだと思います。
 
 漫画というのはふつう、絵を眺めながら、ふきだしなどの文字を読んで、ストーリーをつくっていくものですが、これは、逆の読み方が必要です。
 文字を眺めて、絵を読んでいく…。
 絵を読むことで、ことばの奥まで入っていってしまう…。
 
 1枚の絵に、なん時間でも考えさせられる。
 その、キー  (鍵) となっているのが、文字。
 というわけです。
 
 表現にとって、あたらしい分野をつくることになりかねない、記念すべき作品だと、わたしは思います。 コンサートといえばクラシック音楽しかなかった時代に、世界で初めてのジャズが、演奏されたときのように。
 
 
 
 
 
 
 
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季刊ココア共和国 vol.8

季刊 「ココア共和国」
12 /08 2011
 毎度おなじみ、ごぶさたでいす。
 毎度おなじみ、宣伝でいす。 ごめんなサイの皮のさいふ。
 「季刊ココア共和国」 は、秋亜綺羅の個人誌でいす。
 
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(売切れになっていてもすぐ入荷いたします)
 
 
 
季刊ココア共和国 vol.8
秋亜綺羅(著), 四方田犬彦(著), 須藤洋平(著), いがらしみきお(著), クマガイコウキ(著), 豊田和司(著), 柏木美奈子(編集,装丁)
 
2011年12月1日発行
 
価格:¥525
 
商品の説明
内容紹介
  詩人・秋亜綺羅による個人季刊誌第8号。
  右開きからが詩。左開きではブログを編集。
      ※
  ココア共和国のせいで、いまや詩人と化した、あの、漫画家・いがらしみきおの新企画 「人は死ぬのを知りながら」 が堂々上陸!
  1年以上もまえ、いっしょに食事をしたとき、企画が進んだものでね。 いまの出版にない境地を考えよう。 ということになったのです。
  そのあと、いがらしみきおに複数の新連載の仕事が入ったり、地震があったりで、やっと今号、実験版ということで、原稿をもらったのでした。
  ページだての詩画というか、絵による哲学なのかな…。
  絵を読みながら、言葉の奥まで入っていく。 というような体験ができるかもしれません。 いがらしみきおの新著 「Ⅰ(アイ)」 のファンの方には、オプションともいうべき作品です。 このココアでしか読めませんぜ。 ちょっとだけお見せします。
 
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  招待詩としては5名の詩人が登場します。
            ※
 四方田犬彦は、わたしが尊敬する比較文学者で、映画史研究でも有名です。
 著書は訳書や詩集も含め、数知れません。 海外にいてなかなか掴まらず、やっと書いてもらえました。
            ※
 須藤洋平は、2回目のゲスト登場です。 現代詩手帖5月号の巻頭詩 「密葬」 に、あまりにも感動したので 「また、書いてよ」 と、思わず頼みこんじゃいました。
        ※
 いがらしみきおには、詩も書いてもらっています。 「地震のこと」 は、複数のメディアがすでに、「ぼのぼの」 のいがらしみきおが震災の詩を書いたらしいぞ、と話題にしています。
        ※
 クマガイコウキは、映画監督で、劇作家です。 数多くの実験的な映画や、演劇があります。 詩では、詩のボクシングの常連で、全国大会へ行っています。
        ※
 豊田和司の詩 「あんぱん」 は、広島市の同人誌 「火皿」 124号に掲載されていたものを、無理を承知で転載の許可をもらいました。
 季刊ココア共和国は高校生や、大学生の読者が多く、これを読んでもらいたいな。 と、思ったのでした。
 反戦や反核ということでなく、この詩の方法論は、未来の詩人にとって、日記から詩の世界に飛び出すための、ヒントのひとつになるだろうと、考えたのです。
        ※
 秋亜綺羅の小詩集は、即興というか、しゃべるように書いてみよう。 と試みたつもりでした。 ブログの多くの詩人たちのように、思いとひらめきを器用に書きならべるみたいな手法が、現代詩になりうるだろうか。 わたしには、ちょっとむずかしい挑戦だったかもしれません。
 
  
著者について
四方田犬彦=映画研究家、詩人。 1953年生。 横浜市在住。
  詩集に 『人生の乞食』、訳詩集にマフムード・ダルウィーシュ 壁に描く』、『パゾリ
  ニ詩集』 など多数。
  日本エッセイスト・クラブ賞、桑原武夫学芸賞など。
 
須藤洋平=詩人。 1977年生。 宮城県本吉郡南三陸町在住。
  詩集 『みちのく鉄砲店』 など。
  中原中也賞受賞。

いがらしみきお=漫画家。 1955年生。 仙台市在住。
  『ネ暗トピア』 『ぼのぼの』 『BUGがでる』 『3歳児くん』 『かむろば村へ』
  『Ⅰ(アイ)』 など多数。
  日本漫画家協会賞、講談社漫画賞、小学館漫画賞など。
 
クマガイコウキ=映像作家。 1961年生。 仙台市在住。
  映画 『ぼのぼの/クモモの木のこと』 監督・脚本。
  朗読劇 『火の鳥』 脚本など多数。
 
豊田和司=詩人。 1959年生。 広島県呉市在住。
  被爆2世。 『火皿』 同人。
 
秋亜綺羅=詩人。 1951年生。 仙台市在住。
  名まえは、 40年まえ高校生のとき、 寺山修司がつけてくれたもの。
  角川文庫の 「書を捨てよ、町へ出よう」(寺山修司) に、
  ハイティーン時代に書いた詩 「百行書きたい」 が載っている。
  詩集 『海!ひっくり返れ!おきあがりこぼし!』 (1971年)。
 
 
 

目次


  四方田犬彦 「二ザール」
  須藤洋平 「化け物」
  いがらしみきお 「地震のこと」
  クマガイコウキ 「仮称松岩と四千万円とマッチ売りの少女と私たち」
  豊田和司 「あんぱん」
 
小詩集
  秋亜綺羅 「詩人の詩はつまらない」
 
カクテル・ポエム
  いがらしみきお 「人は死ぬのを知りながら」
 
ブログ=ココア共和国
  秋亜綺羅 「詩と舞踏 in 青森」
  秋亜綺羅 「アート・アトランダム(前)」
 
 
  装丁=柏木美奈子
 
 
 
 
 
 
 

秋亜綺羅

(1977.06.19)左から寺山修司、清水昶、八木忠栄、秋亜綺羅