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いがらしみきおの 「人は死ぬのを知りながら」

詩ってなんだろう
12 /17 2011
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 こんにちは。 秋亜綺羅です。
 「季刊ココア共和国」 vol.8 に掲載された、いがらしみきおの 「人は死ぬのを知りながら」 が、ツイッターなどで話題になっているようです。
 
 上の写真がその、ラストシーンです。 いちばんいいとこ、勝手にブログに載せちゃって、いがらしさん、怒るだろうなぁ。 まぁ、わたしのブログなんて1日200人と読者はいませんから、影響はないでしょう。 へい。
 
 今回は全部で8ページだけの実験版でした。 いがらしみきおに言わせれば、ダイジェスト版、短縮版ということです。
 完成すればおそらく、32ページだてくらいになるだろうと思っています。 いま以上の、巨大なスケールの展開が期待できます。
 
 ネット販売、電子出版。 英語版、仏語版なども考えています。 問題は、死ぬほど忙しい、いがらしみきおが、いつ描いてくれるか。 です。 死ぬのを知りながら、死ぬまえになんとかお願いしたいものです。 ははは。
 
 ダイジェスト版である今回の 「人は死ぬのを知りながら」 は、文字だけ並べてみれば、詩人や、哲学者にとってみれば、それほどびっくりするものでもないでしょう。
 
 
 
  「人は死ぬのを知りながら」           いがらしみきお
 
 
  人は自分が死ぬのを知っています
 
  人は自分が死ぬのを知りながら
  毎日ごはんを食べます
 
  人は自分が死ぬのを知りながら
  誰かに会います
 
  人は自分が死ぬのを知りながら
  なにかになります
 
  人は自分が死ぬのを知りながら
  笑っています
 
  人は自分が死ぬのを知りながら
  黙っています
 
  人は自分が死ぬのを知りながら
  かすかになにかを待っています
 
  人は自分が死ぬのを知りながら
  なぜ死ぬのかは知りません
 
 
 
 実際、いい詩なのだけれど、こうやって書き出してしまっては、いがらしみきおのせっかくの意図は壊れてしまうのでしょう、ね。
 
 ただ、漫画人にしてみると、すごい作品みたいです。
 この8ページのために、いがらしみきおは1週間ほどかけて描いています。
 
 たとえば、うえに載せた最終ページ。
 人は、いません。
 まえの7ページには必ず人が登場していたのに。…
 
 道には、足跡らしきものが遠くから続いて来ていますが、
 途中までです。
 近くになると、足跡ではなく、木の葉らしきものになっています。
 水たまりが4つあります。
 水たまりには青空と、白い雲が映っています。
 
 道の横を流れる川には、木々の影まで水面に揺れています。
 この1枚の絵のなかでは、舗装されていない泥道だけが、
 人工のものです。
 人工といっても、川の側にそって歩いた、たくさんの人々の足によって
 つくられた道なのでしょう。
 
 遠くの山々も、空も、川も、土手も、
 人がつくれるものではありません。
 
 だけど、人がつくった道が中央にいちばん
 大きく描かれています。
 
 なぜか、なつかしい。
 なぜか、ここで自分は死ぬんだな。
 という気にさせられます。 わたしは。
 
 というようなことを、読者がそれぞれ
 考えていけばいいのだと思います。
 
 漫画というのはふつう、絵を眺めながら、ふきだしなどの文字を読んで、ストーリーをつくっていくものですが、これは、逆の読み方が必要です。
 文字を眺めて、絵を読んでいく…。
 絵を読むことで、ことばの奥まで入っていってしまう…。
 
 1枚の絵に、なん時間でも考えさせられる。
 その、キー  (鍵) となっているのが、文字。
 というわけです。
 
 表現にとって、あたらしい分野をつくることになりかねない、記念すべき作品だと、わたしは思います。 コンサートといえばクラシック音楽しかなかった時代に、世界で初めてのジャズが、演奏されたときのように。
 
 
 
 
 
 
 
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コメント

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No title

こんばんは!リンク登録ありがとうございます!

今回はいがらしみきおさんですか。ただ、私は聞いたことのあるお名前というだけで著名人の方には違いないですが。
あとで、調べてみようと思います。
ちょっと情けない事なのですが。こんなにすごい絵を描いていらっしゃるんですから。なるほど、確かに真中に大きく土手が描かれていますね。そこに人間の生きざまがなんとなく見え隠れしているような。
プロの方はそういう表現をあえて意味深にだしている感じがします。
それにしても、作品を見たことがない事が自分自身、情けないです!
傑作ポチ、失礼します!

No title

ご訪問ありがとうございました‥‥。。<(_ _)>。。
月初めに、愛娘が急逝したものですから、生とか死とか、死の悲しみにどう向き合っていくのかなど、いろいろと考えています‥‥。。
娘も「なぜ死ぬのか」知らないまま、逝ってしまいました‥‥。。

No title

ココア共和国さんおはようございます。
[季刊ココア共和国vol.8]に掲載のいがらしみきおの
“人は死ぬのを知りながら”そんなに人気なんですか?
じゃあ、追加購入7冊、私の撮った写真が載ってます~~って
自慢げに知り合いに送ろうかと思ったのですが、
あと30年もしたら、びくりする程値上がりするかも,,,。。
なんて欲が、むらむらっと~~(笑)

死ぬことをしりながら、私は今そんなことを思っています!

No title

う~ん
死にたくはないけど、、、必ず 死は やってきますね。
複雑、、、、(笑

No title

良い 考えさせられる詩なので
転載させてくださいね、、ポチ★

No title

こんにちは

東山魁夷の「道」とは・・ちがうんだけど・・
道がついている絵に
なぜか惹かれます。

いろんな人生が思われます。

No title

一か八かさん。
いがらしみきおの、子ども向けと思われる 「ぼのぼの」 や、
むかし描いていた「3歳児くん」などは、
毒とナンセンスがあり、そこが好きでした。
「ココア共和国」 の今回のものや、「Ⅰ(アイ)」(小学館)では、
ナンセンスは影をひそめ、真正面からいがらし哲学を
直球勝負しているようにも思われます。
だけど、ぜんぶ読み終えたとき、
作品全体が猛毒なのかもしれないな。
と、ふと感じる瞬間があります。

No title

まったりさん。
娘さんが亡くなられてからの、ブログの記事を
ぜんぶ読ませていただきました。
まったりさんのくやしさと、せつなさは、
他人になぐさめることはできません。
娘さんにしてみれば、おうちの中でなくなったのですから、
おとうさんとおかあさんが作ったおうちですから。
両親の腕の中で亡くなったのと同じです。
ずっと家の中にいることができます。

酷なことをいうことになるかもしれませんが、
まったりさんは、日中はプライドある仕事をし、
ブログではある程度の悲しさも表現できます。
同じに悲しく、せつなく、いとおしんでいるおかあさんと
おじいさんも、いたわってあげてください。

No title

M。bunkoさん。
はい。 kayoさんへの遺産として、
もう7冊、いかがですか。
ところで、表紙のサンタさんを10円玉でこすって、
「当たり」 が出ると、もう1冊もらえるの、知ってました?
うそだよん。

No title

ココア共和国さん、暖かいお気遣いありがとうございます‥‥。

No title

zcat1118さん。
転載ありがとうございます。
必ず死はやって来ることを、知識として知っているのは、
地球上の生物では人間だけだそうです。
限りある命だからこそ、文化や文明が発展したのだというひともいます。
確かに、動物には文明も文化もありませんよ、ね。
もし、いつ死ぬかまでもわかったとしたら、
人間の文明と文化は、どこまで行ってしまうだろう。

No title

ティアラさん。
道は二叉だったり、三叉だったり
よく人生の岐路のたとえに使われます。
だけど広場だって、荒野だって、スクランブルな道です。
どっちに向かおうと、自分の道であることに変わりないさ。
と、開き直る、秋亜綺羅くんでした。

No title

ココア共和国さんおはようございます。
思っていたところです。遺産としては、7冊なんて少なすぎ・・
違算でした。(笑)年明けにでも、追加お願いします、ねぇ。
kayoのお友達にも、・・と思っています。

誰かのために何かするのは
すごくたいへんなんだろう
でもおとうさんは
ほんとうはすごく簡単
なんだと言ったことがある
どっちがホント?
どっちもホント?

ぼのぼのの中で見つけた一節です。
5歳の時、神の啓示により漫画家になろうとして
24歳でデビューしたのだと言うのだから、
いがらしみきおって、やはり、
秋亜綺羅君とは随分違います、ね。ウふふ

No title

M。bunkoさん。
神も世界も、自分の中にしか存在しないんだと、わたしは思います。
M。bunkoさんも、わたしが作り出したひとりの人物にすぎません。
そう考えないと、なぜわたしはM。bunkoさんではなくて、
M。bunkoさんは秋亜綺羅ではないのか、説明がつきません。
寺山修司は、「死は生の中にしか存在しない」 といっています。
わたしが死ぬことは、世界の人類全員を殺すことになるわけです。
などと、思春期の高校生のようなことを考えたりするのでした。

秋亜綺羅

(1977.06.19)左から寺山修司、清水昶、八木忠栄、秋亜綺羅